第二種電気工事士は電気系資格の入門とも言える資格です。よって、これまでまったく電気の勉強とは無縁だった方も多くいらっしゃるかと思います。

第二種電気工事士に独学で合格しようとすると、勉強時間は150時間(技能試験を含む)、約3か月が目安と言われます。技能試験で時間を半分使うとして、筆記試験対策の勉強期間は目安1.5か月ですね。

ただ、電気の知識のまったく無い方のなかには、1.5か月で筆記試験対策を終えるのは厳しいと感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで本記事では、はじめて電気の勉強をする方に向けて、筆記試験の勉強を効率的に進めるポイントをご紹介します。

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筆記試験を効率的に勉強するポイント

はじめて電気の勉強をされる方のなかには、第二種電気工事士のテキストを買ってみたものの、難しくてやる気を失ってしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

多くのテキストは最初に電気の理論的な内容を解説しています。これは実際の試験で最初に理論の計算問題が出題されるからなのですが、はじめての方にはやや取っつきにくい構成と言えるでしょう。

しかし、じつは第二種電気工事士の試験では、電気理論の計算問題をすべて捨てても合格可能です。

筆記試験の合格基準点は100点満点中60点です。無理に100点を目指す必要はありません。確実に60点以上を取れるよう、以下にあげるポイントを押さえて効率的に勉強を進めましょう。

  • 絶縁と接地の違いを理解する
  • 配線図の問題を重点的に勉強する
  • 単線図から複線図への描き起こしができるようにする
  • 法律は数字で規定されている部分に絞って覚える
  • 試験勉強は計算問題→暗記問題の順に進める

最初に絶縁と接地の違いを理解する

第二種電気工事士資格の目的は、感電や火災といった電気の事故が起こらないようにすることです。そして電気の安全を考えるうえで、避けては通れないのが「絶縁」と「接地」に関する知識です。

資格の目的にダイレクトに関係しているため、接地や絶縁に関する問題は毎回必ず出題されます。他の分野にも関連する知識ですので、はじめて電気を勉強する方はまず絶縁と接地の違いを押さえましょう。

  • 絶縁:電流が漏れないようにすること。絶縁抵抗が大きいほど絶縁性が高くなる。
  • 接地:万が一漏電した際に人が感電しないようにすること。接地抵抗が小さいほど人の感電リスクが低くできる。

電気を水の流れでイメージすると、絶縁は「配管の強度」、接地は「万が一漏水したときの被害を小さくする排水溝」です。

絶縁と接地については以下の動画でじっくり解説していますので、ぜひご覧ください。

配線図の問題を重点的に勉強する

第二種電気工事士の筆記試験は、1問2点の全50問で構成されています。31問目以降の20問は配線図を見て解答する問題であり、配線図の問題だけで40点分の配点となっています。

配線図の問題は、配線図を見て工事に使用する材料や工具を見分けたり、設置すべき漏電遮断器や接地工事の種類を選んだりといった内容がほとんどです。暗記で解ける問題が多いため、徹底的に勉強すれば30点〜40点は確実に取れてしまいますし、逆にここを落とすと合格は非常に厳しくなるでしょう。

また、配線図の問題を学習すると、材料や工具の選別もできるようになります。写真、名称、使い方をセットで憶えれば、配線図以外の問題でも得点できるようになり、さらに合格に近づきます。

過去問は少なくとも過去3年分を解くことをおすすめしますが、配線図の問題(31番以降)だけは過去問10年分を徹底的にやり込みましょう。

関連記事:筆記で頻出!接地の省略条件と漏電遮断器の省略条件を解説

単線図から複線図への描き起こしができるようにする

筆記試験では、最小電線本数やリングスリーブなどの個数を求める問題にて、単線図から複線図の描き起こしが必要になります。

単線図から複線図への描き起こしは、筆記試験に合格したあとの技能試験で必要になるため、筆記試験の時点で複線図の問題が解けるようになっているのが望ましいと言えます。

とはいえ筆記試験の合格において優先度が高いのは、配線図の問題のうち、暗記で解ける問題です。どうしても複線図が苦手な方は「この内容は実技試験でも関わってくるんだなぁ」程度の認識をしながら追い込みの学習をしていただければと思います。

法令は数字で規定されている部分に絞って覚える

筆記試験では、電気工事士法や電気事業法といった法令に関する問題も出題されます。ただ、法令で出題されるポイントは非常に限られています

よって、法令の範囲をすべて暗記するのではなく、出題されやすい「数字で規定されているもの」に絞って覚えることをおすすめします。たとえば、電線管の支持点の距離や接地極の埋設深さなどがあげられるでしょう。

これらは数字でいくつと規定されているため、数字さえ覚えてしまえば良否の判断ができます。さらに、第二種電気工事士で出てくる数値は共通のものが多くあります。数値に着目して学習してみると、「あ、またこの数値だ」とより記憶に定着しやすくなるはずです。

どうしても難しいなら計算問題は捨てる

第二種電気工事士の筆記試験では、最初の1〜8問で電気の基礎理論に基づく計算問題が出題されます。

電気工事士試験では電卓の使用が禁止されているため、計算問題と言っても手計算で解答できるレベルです。すでに電気の知識をお持ちの方、または計算問題が得意な方にとってはサービス問題と言えるできるでしょう。

しかし、それ以外の方は計算問題を無理に解く必要はありません。計算問題をすべて捨てても、せいぜい16点ほどです。他の部分で60点を取れれば合格できますし、配電図やほかの暗記で取れる問題に集中するほうがはるかに効率的です。

実際に電気工事をする際も、抵抗の直並列や交流の力率計算などは必要ありません。このような知識は、電験三種などのより上位の資格を受験するときにしっかり身につければよいのです。

計算問題がわからないからと言って恐れる必要はありません。思い切って捨ててしまって、他の重要な分野でしっかりと得点しましょう。

筆記試験対策は効率的に勉強しよう

第二種電気工事士試験の筆記試験合格率は60%程度。電気系資格の入門的な試験のため、複雑な計算ができることより、以下の能力が重視されます。

  • 図面が読める
  • 器具がわかる
  • 工事の方法(設計、工具等の取り扱い、禁止事項)がわかる

電気の基礎理論からじっくり理解を深められるのが理想ですが、時間が限られるなかで必死に全範囲を勉強する必要はありません。本記事で紹介した内容を参考に、ぜひ効率的に勉強を進めていただければと思います。

関連記事:第二種電気工事士の12年間の筆記・実技別合格率の推移|勉強に必要な期間や方法

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