力率と電圧降下の関係
前回は力率1の定義に関してお話しました。次回のブログで電圧降下と力率に関する問題の解説をしますので、その前段階の知識をお話します。
電圧降下と力率には、大きな関係があります。
電圧降下の簡略式として、単相二線式ではv=2I(Rcosθ+Xsinθ)があります。この式のcosθは、まさに力率を表しています。出題されるパターンとして、この電圧降下を小さくするための力率改善に関する問題が出題されることがあります。
この際も必ずといっていいほど電流がかくされていますので、改善前の電圧降下と力率から電流を求めるなどの手順が必要になります。
電圧降下以外では、力率改善と送電損失の関係を問う問題もあります。
ここで重要なのが、負荷の容量(kW)が変化しない場合、電流の大きさは力率の大きさに反比例するということです。この法則を理解していると、問題を解く際に非常にスムーズに解答することができます。
さらに、力率改善の問題はベクトルと非常に密接な関係があります。
力率改善を簡単に言えば、ベクトルの虚数部分を小さくすることです。つまり、ベクトルを理解することにより力率改善に関する問題を解く力も身につけることができるのです。また、電力ベクトル図という考え方もあります。
非常に応用の利く概念ですので、必ず身につけるようにしましょう。
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