第二種電気工事士の12年間の筆記・実技別合格率の推移|勉強に必要な期間や方法
「第二種電気工事士を受けたいけど、合格率ってどれくらいなのかな」「何時間くらい勉強すれば合格できるのか想像がつかない」「合格率を高めるためにはどうしたらいいの」とお悩みではないでしょうか?
そこで直近12年間の第二種電気工事士(筆記・実技別)の合格率を紹介した上で、試験の難易度や注意点について解説します。
必要な勉強時間の目安や試験対策講習会ついてもお伝えしますので、第二種電気工事士の取得を目指す方はぜひ参考にしてください。
関連記事:第二種電気工事士とは?取得するメリットと試験の難易度や将来性を解説
目次
第二種電気工事士合格率の推移|平均は筆記60%、実技71%ほど
第二種電気工事士の直近12年間(平成23年~令和4年)の合格率平均は筆記:60.0%、実技:71.4%です。
以下、直近12年間の合格率推移のグラフと表を掲載します。
年度(上下期) | 筆記試験合格率 | 技能試験合格率 |
23年度計 | 63.1% | 69.5% |
24年度計 | 58.2% | 70.6% |
25年度計 | 62.4% | 76.0% |
26年度計 | 59.0% | 74.2% |
27年度計 | 58.8% | 70.7% |
28年度計 | 58.6% | 73.4% |
29年度計 | 59.1% | 68.8% |
30年度計 | 55.4% | 67.5% |
元年度計 | 65.9% | 65.3% |
2年度計 | 62.1% | 72.4% |
3年度計 | 59.2% | 73.8% |
4年度計 | 58.2% | 74.3% |
12年間の平均 | 60.0% | 71.4% |
(合格率は電気技術者試験センター(第二種電気工事士試験の主催)が発表しているデータから、合格者÷受験者(≠申込者)で計算しています)
(令和4年度は上期のデータから算出しています)
筆記試験では55~65%程度、実技試験でも65%~76%を推移しており、ここ12年ではそれほど合格率が低くなる事はありません。
合格率60%の筆記試験と合格率71%の実技試験をクリアすれば、第二種電気工事士の資格を取得できます。
つまり両方の試験を一発で合格できる割合は42%ほど、ということです。
第二種電気工事士の難易度は低いが簡単には受からない
第二種電気工事士の難易度は「比較的低い」といえます。
理由としては受験資格が設定されていないこと、受験資格がないにもかかわらず上記のような高い合格率だからです。
第二種電気工事士は誰でも受験可能にもかかわらず、受験者の約半数が合格できる資格といえます。
とはいえ油断は禁物。先ほど紹介した合格率は合格者数を受験者数で割っている、つまり「全然勉強しなかったからやっぱ今日は受験しないでおこう」と諦めてしまった人を含めずに計算しています。普通に勉強して試験に臨むと半分の人は不合格になってしまう試験、とも言えるのです。
以下では合格率から分かる筆記・実技試験の難易度や対策を紹介します。
合格率は高くとも実技のほうが難しい
第二種電気工事士の合格率平均が筆記:60.0%、実技:71.4%と聞くと「筆記のほうが難しいのか」と考える方もいるかもしれません。
しかし実際は逆で、実技のほうが難しいと考えましょう。
実技試験には「欠陥」という概念があります。
欠陥とは「一度でもやるだけで即不合格」というものです。つまり実技試験は一度の失敗も許されません。(厳密には「軽欠陥」といって2度までOKな軽微な欠陥もあります)
しかも試験の制限時間は筆記試験が120分に対して、実技試験は40分と時間的にも厳しいです。
筆記試験の合格基準は100点満点中、6割である60点。問題は50問なので、4割の20問までは不正解でもOKです。
心持ちとしても筆記試験のほうがラクですよね。
筆記試験では計算問題は解けなくてもいい
筆記試験の計算問題は解けなくても大丈夫です。
計算の配分はせいぜい10点程度。もちろん解けるに越したことはありませんが理屈や計算が苦手な方であればスルーしましょう。
計算はすべて捨てて覚えるだけの部分をマスターすれば、十分合格は目指せます。
以下に筆記試験の内容を紹介します。
- 電気に関する基礎理論
- 配電理論及び配線設計
- 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
- 電気工事の施工方法
- 一般用電気工作物の検査方法
- 一般用電気工作物の保安に関する法令
- 配線図
試験の形式としては四者択一50問のマークシート方式で、試験時間は120分です。
実技試験ではスピード勝負、一発アウトを避ける
実技試験はスピード勝負です。
実技試験は施工条件にあった作品を40分で欠陥なく作成できると合格です。
欠陥例としては以下の通り。
- 未完成
- 配線図との相違
- 加工条件との相違
- 誤接続、誤結線
- 電線の損傷
- 結線不良(コネクタ・スリーブ・端子)
詳細は電気技術者試験センターより技能試験の概要と注意すべきポイントが公開されていますので、勉強しながら目を通してみましょう。
第二種電気工事士合格に必要な勉強時間は80時間
第二種電気工事士合格に必要な勉強時間は80時間程度です。
毎日2時間程度を、週5日勉強すると2ヶ月ほどで80時間に至ります。受験の申し込みから試験当日まで3ヶ月程度。週5日、2時間勉強し続けるのも難しいところだと思うので、申し込んだらすぐに勉強を始めるようしましょう。
以下、勉強方法について紹介します。
筆記試験は配点の多い部分、頻出する部分を重点的に学習する
筆記は重要な部分から学習しましょう。特に施工方法や配線図については頻出するので重点的に学習する必要があります。
具体的には施工方法に含まれている接地や漏電遮断機器の設置、絶縁については毎回のように出題されているので、マスターは必須でしょう。
試験対策、という面でももちろん重要ですが実務としても「安全」に直結する内容です。
そもそも第二種電気工事士は「素人にはやらせられない」から国家資格の業務独占資格とされています。
- 図面が読める
- 器具が十分使える
- 工事の方法(設計、工具等の取り扱い、禁止事項)を理解している
上記のような現場で電気工事士に求められていることをきっちりこなせるように意識して勉強しましょう。
実技試験は13個の課題を2,3周作成しておく
実技は事前に通知される13個の課題の中から、ひとつに絞って出題されます。
そのため実技試験の勉強とは、13個の課題を欠陥なく40分以内に作成できるようにすること、といえるでしょう。
具体的な勉強方法は以下の3ステップで行います。
- テキスト、工具、材料を揃える
- 13個を1周作成する
- 欠陥となった部分や時間がかかってしまった部分を意識してもう1周、2周する
独学に役立つ勉強方法|おすすめテキストと工具セット
勉強時間の確保が難しい場合、独学で第二種電気工事士の資格を取得するには効率のよい学習方法が求められます。
ここではおすすめの学習方法について具体的に解説します。
筆記試験の勉強方法
筆記試験は書籍等を購入しなくても、過去問題を数年分解いていけば試験をクリアするレベルの知識が身に付きます。
過去問題は一般財団法人 電気技術者試験センターの公式サイトにて無料公開されています。
それだけでも十分ですが、電気機器を扱う企業が用意している勉強サイトを活用すると、さらに知識は深まるでしょう。
実技試験(技能試験)の勉強方法
実技試験は文字よりも見て学んだ方が覚えやすいと言われています。
先ほど紹介した企業の勉強サイトやYouTubeを活用すれば、視覚効果を活かした学習が可能です。
また、わかりやすいイラストで教えてくれるこちらのテキストも1冊持っておくと役に立ちます。ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士技能試験すい~っと合格
また工具はHozanの電気工事士技能試験工具セットがシンプルでおすすめです。
材料は「第二種電気工事士技能試験練習用材料」が売られているので、年度にあったものを買いましょう。はじめから3回分がセットになったものが楽ではありますが、合格後無駄になるパーツもあります。
無駄になるのが嫌な方は1回分だけを購入して、足らない部品だけ追加で購入するのもよいでしょう。
関連記事:第二種電気工事士を独学で合格する勉強方法|おすすめテキストも紹介
勉強方法に不安な方は日本エネルギー管理センターの試験対策講習会を活用しよう
「昔から勉強が苦手で毎日2時間も勉強できる気がしない」「実技は不安だし、人から直接習いたい」というあなたには「日本エネルギー管理センター」の試験対策講習会がおすすめです。
第二種電気工事士の直近12年間(平成23年~令和4年)の合格率平均は筆記:60.0%、実技:71.4%、両方の試験を一発で合格できる割合は42%ほどです。
しかし当センター受講者の合格率は90%以上。大変人気の講座となっています。
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