変圧器の損失は、大別すると「鉄損」と「銅損」に分けられます。
鉄損は通称無負荷損とも言われ、変圧器が加圧されている限り負荷の大きさと無関係に発生する損失です。
銅損は負荷電流が流れることにより発生する損失で、その大きさは負荷の大きさの二乗に比例します。負荷電流と損失の関係をグラフに表すと、はじめは鉄損の方が銅損よりも大きく、負荷が増加するにつれて銅損が増加しあるとき銅損と鉄損が等しくなります。このとき変圧器は最大効率で運転されます。

ここで、変圧器を並列運転することを考えます。全く同一の規格の変圧器2台を並列運転したとすると、まず鉄損が2倍になります。次に銅損に関しては、同一規格の変圧器2台を並列運転すると負荷電流は1/2ずつ負担することになり、全体としてみると銅損は1/2になります。
この関係を考えると、軽負荷時は鉄損の増加分により並列運転した場合損失が増加しますが、重負荷時は並列運転した方が効率が良くなります。また、並列運転をしていると片方の変圧器で不具合が発生した場合にその変圧器のみを切り離すことにより、無停電で事故点を除去することが出来ます。
ただし、並列運転した場合%インピーダンスが減少し(同一規格の変圧器を2台並列運転すると%インピーダンスは1/2になる)、負荷側で短絡事故が発生した場合の短絡電流が増加します。よって、並列運転をする場合、負荷側に設置されている遮断器の遮断容量を超えないように考慮する必要もあります。
変圧器の並列運転は非常に重要な要素ですので、しっかりと理解するようにしましょう。

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