電力会社は、需要家に適正電圧で送電することが重要な責務となっています。特に、低圧に関しては電気事業法で以下の値を維持するよう義務付けられています。

100Vの場合、101V±6V

200Vの場合、202V±20V

この電圧を維持するために様々な工夫がされていますが、その一つとして非常に大きな役割を果たしているのが「負荷時タップ切り替え変圧器」です。変圧器のタップを変更すると、変圧器の巻き数比が変化するため二次電圧を変化させることができます。電力用のトランスには、ほとんどの場合タップが設けられていてある程度の範囲で巻き数比を変更できるようになっています。しかし、ただタップが設けられているだけだとトランスを停止させた状態でタップを変更する必要があります。

しかし、負荷時タップ切り替え変圧器の場合は変圧器の負荷がある状態(電流が流れている状態)のままタップを変更することができます。つまり、停電させることなく巻き数比、しいては二次側の電圧を変化させることができます。

さらに、この負荷時タップ切り替え変圧器と電圧調整継電器を組み合わせることにより、二次電圧を定めた範囲内に自動的に保つことができます。

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