電験三種を受験するにあたり、避けては通れないのが計算問題です。電気工事士は理論的な計算問題を解かずに合格することが出来ましたが、電験三種では逆に計算問題が解けない限り合格はあり得ません。
 勉強するときに誰でもやる手法として、問題を解いて分からなければ参考書の解説を見るというものがあります。このやり方、非常に有効な勉強法ではあります。ただし、一つ注意しなくてはならない事があります。それは、参考書の解説が最善の解法とは限らないということです。
 たとえば、R=24[Ω]、jXL=18[Ω]であるときのインピーダンスZ及び力率を求める場合、どのように計算するでしょう?大半の参考書は、Z=√(R^2+XL^2)=√(24^2+18^2)=√(576+324)=30[Ω]、cosθ=24/30=0.8と求めると思います。もちろん、この解き方は基本であり覚えておかなくてはならない手法です。しかし、この解法は電験三種における「最善の方法」ではありません。
 この例題の場合、ベクトル図からR:XL:Z=4:3:5が成り立ちます。よって、Z=30[Ω]とすぐに求めることが出来ます。さらに、R:XLが4:3ならば力率は0.8とすぐにわかります。このように、電験三種や電気工事士の計算問題は教科書通りの計算をしなくても簡単に解くことが出来る問題が多くあるのです。もちろん、教科書通りの解き方をしなければ解けない問題もありますので基本を覚えることは重要です。しかし、電験三種、特に理論科目は試験時間が足りなくなるのが常です。少しでも簡単に解く方法を身につけるのが合格への大きな近道です。
 このようなテクニックは参考書に書かれていないことが殆どです。是非講習に参加して、効率的な解法を身につけていただきたいと思います。

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