第一種電気工事士の実務経験が3年に改正されました。

この改正により、以前よりも第一種電気工事士の免状を取得しやすくなりましたね。

この記事では第一種電気工事士の実務経験について解説したのち、実務経験の積み方について解説します。

第一種電気工事士免状の申請方法についても紹介するので、第一種電気工事士の資格を取ろうと考えている方はぜひご覧ください。

 

第一種電気工事士の実務経験は3年に改正

電気工事士施行規則の一部改正について

(出典:経済産業省

第一種電気工事士の実務経験が3年に改正されました。

以前は「特定の大学や高等専門学校にて特定の単位を取得し卒業した人は実務経験を3年間積むこと、それ以外の人は実務経験を5年間積むこと」が免状取得の条件となっていました。

しかし昨今の電気工事士の人手不足を受けて、令和3年4月からはすべての人が3年間の実務経験で免状の申請が可能になっています。

ここでは第一種電気工事士の条件である実務経験について詳しく解説します。

第一種電気工事士の実務経験とは

第一種電気工事士における実務経験の条件に以下のものは含まれません

  • 電気工事士法の定義で電気工事から除かれている「軽微な工事」
  • 電気工事士法で別の資格が必要とされている「特殊電気工事」(最大電力500kW未満の需要設備のネオン工事及び非常用予備発電装置工事)
  • 5万V以上で使用する架空電線路の工事
  • 保安通信設備の工事

(引用:一般財団法人電気技術者試験センター

つまり第二種電気工事士の資格が必要になる一般用電気工作物に関する電気工事や、電気主任技術者の指導、監督のもと行うような自家用電気工作物に関する電気工事に携わっていた経験が必要になります。

第一種電気工事士の認定に関しては現状通り

第一種電気工事士の試験に関する実務経験は3年間に縮まりましたが、第一種電気工事士の認定に関しては現状通りです。

そもそも第一種電気工事は第一種電気工事士試験に合格する他にも、認定で取得する方法があります。

たとえば電気主任技術者免状であれば取得ののち、5年間の実務経験があれば、申請することで認定書が交付されます。高圧電気工事技術者であれば、3年の実務経験でOK。

これら認定の実務経験年数は従来と変わっていません。

第一種電気工事士の実務経験の積み方

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第一種電気工事士の実務経験の積み方は、大きく分けて以下のふたつです。

【すでに第二種電気工事士の免状を取得している場合】

第二種電気工事士の免状を取得している場合は、一般用電気工作物に関する工事での実務経験がメインです。一般用電気工作物とは受電が電圧600V以下のものを指します。たとえば住宅のエアコンや個人商店の照明の交換・コンセントの工事など。

 

なお以下の状態であれば「認定電気工事従事者の認定」を受けることも可能。

  1. 第一種電気工事士試験に合格している
  2. 第二種電気工事士免状の交付後、3年以上の電気工事に関する実務経験がある
  3. 第二種電気工事士免状の交付後、一般財団法人電気工事技術講習センター主催の「認定電気工事従事者認定講習」が修了している
  4. 電気主任技術者免状の交付後、または旧電気事業主任技術者となった後、3年以上の電気工作物の工事や維持、運用に関する実務経験がある
  5. 電気主任技術者免状の交付後、または旧電気事業主任技術者となった後、一般財団法人 電気工事技術講習センターの「認定電気工事従事者認定講習」が終了している

 

認定電気工事従事者の認定を受けると最大電力500kw未満の需要設備の工事のうち、電圧600V以下で使用する電気工作物の工事(簡易電気工事) に従事できるので、実務経験がより積みやすくなります。

【いきなり第一種電気工事士の試験に合格した場合】

第一種電気工事士の試験には受験資格がありません。そのため第二種電気工事士を飛ばして、いきなり第一種電気工事士の資格にチャレンジすることも可能です。

もし第二種電気工事士の資格なしでいきなり第一種電気工事士の試験に合格した場合でも、上で紹介した「認定電気工事従事者」の申請をすれば大丈夫

 

【1. 第一種電気工事士の試験に合格している】

に該当するので、申請のみで認定電気工事従事者に認定してもらえます。

お住まいの地域の産業保安監督部に申請しましょう。

ちなみに全国の産業保安監督部はこちらの電気工事技術講習センターのページから確認ができます。

 

第一種電気工事士免状の申請方法

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第一種電気工事士免状の申請方法について紹介します。

第一種電気工事士の申請に必要な書類

第一種電気工事士の申請に必要な書類は以下のとおりです。

申請方法は持参か郵送がほとんど。持参先や受付時間はお住まいの地域によって異なります。各都道府県のHPを確認しましょう。

【試験合格の場合】

  1. 電気工事士免状交付申請書
  2. 第一種電気工事士試験合格通知書(コピーではなく原本)
  3. 実務経験証明書
  4. 写真2枚(6ヶ月以内に撮影した無帽かつ正面上半身像の無背景のもの、縦4cm×横3cm、裏面に氏名を記入)

実務経験証明書に関しては事前に確認が必要な場合もありますので、お住まいの都道府県のHPなどをよく確認しましょう。

【認定の場合】

認定の場合は書類の提出は2ステップになります。

はじめに下記の書類を指定の担当部署へ申請ください。

  1. 認定申請書
  2. 高圧電気工事技術者試験合格証書または電気主任技術者免状の写し
  3. 実務経験証明書

 

その後、認定証が交付され次第下記の書類を揃えて免状の交付申請をします。

  1. 電気工事士免状交付申請書
  2. 認定証
  3. 写真2枚(6ヶ月以内に撮影した無帽かつ正面上半身像の無背景のもの、縦4cm×横3cm、裏面に氏名を記入)

実務経験証明書の書き方例

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実務経験証明書の書き方の例を紹介します。

細かな記入様式はお住まいの地域によって異なりますが、書くポイントは次の3つです。

  • 所属部署・役職名
  • 期間
  • 職務の内容

 

まず所属部署や役職は現在のものを書きます。個人営業等のため所属が無い場合や、役職に就いていない場合は空欄で問題ありません。

期間は正直に書きましょう。ちなみに実務経験がふたつの職場で別れている場合は、それぞれの職場で(合算後に実務経験期間が定められた期間を超えるように)実務経験証明書を作成し、それぞれの会社の代表に印鑑をもらう必要があります。

 

職務内容については期間中の代表的な工事を2、3例記入し、従事した期間中の工事件数を明記しましょう。

一般用電気工作物の工事に従事した際は、第二種免状の番号や交付年月日も書いておいた方が確実です。

また第二種電気工事士免状の交付を他都道府県で受けた場合は、コピーの提出を別途求められる場合もあります。

第一種電気工事士の申請の費用

第一種電気工事の申請費用は、基本的に6,000円です。

収入印紙ではなく、収入証紙になるので注意しましょう。

 

第一種電気工事士の実務経験で虚偽の申告は不可

第一種電気工事の実務経験について、虚偽の期間での申請はやめておきましょう。

もちろん中には虚偽の申請が通って、お咎めなしのまま引退する人も中にはいるでしょう。

しかしバレてしまうと、会社の信頼を大きく損なうことにもなります。その結果取引先を失う結果になれば、一個人の偽装で会社全体の利益を損ねる可能性があるのです。

また罰金の対象になる可能性も。

 

虚偽の申請は主に内部告発が多いようです。

情報がどこからどう漏れるかわからないので、「数ヶ月だから、まあいいか」といった軽い気持ちで虚偽の申請をするのは絶対にやめておきましょう

 

第一種電気工事士試験の合格がまだなら日本エネルギー管理センターまで

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ここまで第一種電気工事士の実務経験について取り扱ってきました。

実務経験が3年になったので、今までよりも多くの方が第一種電気工事士として働くことができそうですね。

 

ただ第一種電気工事士試験の合格が、もしまだなのであれば日本エネルギー管理センターで勉強しましょう。

第一種電気工事士は独学が不可能な資格ではありません。しかし第二種電気工事士試験で少し大変だったという方は、素直にプロに教えてもらった方が効率よく学習を進められます

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