交流の基礎|直流との違いや最大値・実効値について解説
第二種電気工事士のテキストの多くは、「直流回路→交流回路」の順に解説しています。ただ「交流」を独学で勉強しようとすると、なかなか理解しにくい部分もあるのではないでしょうか。
交流を正確に理解しようとすると深い勉強が必要になりますが、第二種電気工事士の筆記試験の範囲だけであれば複雑な内容の理解は必要ありません。
本記事では、交流の基礎や直流との違いについて、初心者の方にもわかりやすく解説します。
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目次
交流とは?直流との違いについて
電気は直流と交流があります。
- 直流:電気の極性(プラスとマイナス)が変わらない。流れる方向が常に同じ「川」のイメージ。電池など電気を蓄えるものに使用されることが多い。
- 交流:電気の極性が切り替わる。進行方向が時間で入れ替わる「海の波」のイメージ。コンセントなど電気をたくさん消費するものに使用されることが多い。
「極性が切り替わる」という部分は、直流と交流の波形を図にするとわかりやすいかと思います(下図)。縦軸が電圧(V)、横軸が時間(s)です。
直流の電圧はいつも一定です。
一方、交流の電圧は正弦波という波の形を描き、プラスとマイナスの領域を行き来しています(振動しています)。そしてこの波の動きは、以下の要素で表されます。
- 周期:波が上下に1回振動するのにかかった時間(単位は秒)
- 周波数:波が1秒間に振動する回数(単位はHz)
ちなみに東日本の交流は周波数が50Hz(50回/秒)、西日本は60Hz(60回/秒)ですね。1秒間に50〜60回という速さでプラスとマイナスを行き来しているんだな、とイメージして考えてください。
交流の実効値や最大値
交流回路において、電圧や電流は実効値で表します。
- 実効値E=最大値/√2
- 最大値:交流の波形における山の頂点の値(=√2×実効値)
「100Vの交流」と言ったとき、その100Vは実効値を指します。よって、100Vの交流の最大値は√2×100=141Vです。
実効値や最大値は直流にはない概念ですので、難しく感じる方もいらっしゃるでしょう。ただ第二種電気工事士の筆記試験では、実効値と最大値の関係を覚えているだけで解ける問題が出題されることがあります。
たとえば2010年度の筆記試験の問題を見てみましょう。
実効値105Vのときの最大値を求める問題ですので、105×√2=148Vで答えは「ロ」ですね。
ここまで簡単な問題が出題されることは珍しいですが、「公式を覚えていれば簡単に解ける問題」を安定して解けるようになると、合格の可能性が一段階高められます。
なお第二種電気工事士では、√2や√3などの値は問題用紙に記載されています。√2は1.414…ですが、この値を覚える必要はありません。
交流と直流はイメージで覚えよう
第二種電気工事士の筆記試験では、交流の基礎を知っているだけで解ける問題がしばしば出題されます。
また交流と直流の違いをイメージで掴めていると、このあとにテキストで登場するコイルやコンデンサを含んだ電気回路の問題も理解しやすくなるでしょう。
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