第二種電気工事士の筆記試験では、低圧屋内幹線の設計に関する問題が出題されます。

幹線の設計は「幹線の許容電流の設計」と「幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の設計」の2つに大別されますが、いずれも負荷に電動機が含まれるかどうかを考える必要があります。

本記事ではおもに「過電流遮断器の定格電流の設計」について解説します。また幹線の設計については以下の動画で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

過電流遮断機の定格電流(過電流遮断器の容量)について

幹線を保護する過電流遮断機の定格電流(過電流遮断器の容量)は、小さすぎると負荷が少しかかっただけで回路が遮断されてしまい、大きすぎると渦電流から保護できないため、適切な値に設計する必要があります。

そしてこの定格電流の計算方法は、電動機が負荷に含まれるかで計算方法が異なります。

電動機以外の負荷しかない場合

電動機以外の負荷しかない場合、過電流遮断機の定格電流(Ib)は幹線の許容電流(Ia)以下とする必要があります。

Ib≦Ia

この式だけで解答できる問題はあまり出題されませんが、絶対ないとは言い切れないため覚えておきましょう。

電動機がある場合

電動機が回路にある場合、電動機の定格電流(Im)とそれ以外の負荷の定格電流(Ih)として、下記のようにする必要があります。

Ib≦3Im+Ih

また、幹線の許容電流(Ia)がわかっている場合、下記の①と②を比較して、小さい方以下とするように定められています。

  1. 3Im+Ih
  2. 2.5Ia

もし電動機があるにも関わらず通常と同じように過電流遮断機の定格電流を設計してしまうと、電動機の始動電流により過電流遮断機が遮断してしまう恐れがあります。電動機が運転できなくなってしまうため、上記のように容量を大きく設定するのです。

余談ですが、電動機専用の「モーターブレーカー」という特殊な過電流遮断機もあります。これは、始動電流によって遮断しないよう設計されたものです。

 

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