対地電圧と線間電圧の違いとは?試験でよく出る配電方式で解説
第二種電気工事士に限らず、電気を勉強するうえで重要となる概念が「対地電圧」と「線間電圧」です。混同している方も多いですが、この2つは別物です。
本記事では対地電圧と線間電圧について、配電方式をもとに初心者の方にもわかりやすく解説します。
また対地電圧と線間電圧は動画でも解説していますので、ぜひご覧ください。
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目次
対地電圧と線間電圧とは
電圧工事で使用する電圧には、大きく以下の2種類があります。
- 線間電圧(使用電圧):その名の通り電線と電線の間の電圧を指す。コンセントの電圧として一般的な「100V」や「200V」は線間電圧のこと。
- 対地電圧:地面との間の電圧を指す。人が感電するときの電圧とも言い換えられるため、感電対策において意識される。
はじめは対地電圧と線間電圧の区別がつきにくいと思いますが、非常に重要な考え方なので必ず覚えるようにしてください。
試験でよく出る配電方式の線間・対地電圧
大前提として「線間電圧≠対地電圧」です。そのうえで、試験でよくみる以下の配電方式(電力会社から電気を引き込む方式)について線間電圧と対地電圧を考えてみましょう。
- 単相2線式(1φ2W)
- 単相3線式(1φ3W)
- 三相3線式(3φ3W)
- 三相4線式(3φ4W)
単相2線式(1φ2W)
単相2線式100V(1φ2W 100V)の回路は、線間電圧が100Vです。
そして非接地側の電線の対地電圧が100V、接地側電線の対地電圧は0Vです。
※画像では電圧降下を考慮した実際の電圧で解説しています。
単相3線式(1φ3W)
また、IHやエアコンなど出力の大きい家電で使われる単相3線式100/200V(1φ3W 100/200V)の回路は、まず中性線の対地電圧が0Vです。
そして、中性線と非接地電線間の線間電圧は100V、非接地電線同士の線間電圧は200Vとなります。
基本的に対地電圧150Vを超える屋内配線はできないことになっています。にもかかわらず一般家庭で200Vのコンセントがあるのは、200Vコンセントは単相3線式100/200Vの回路であり、対地電圧は100Vであるからです。
三相3線式(3φ3W)
一般家庭では原則として使用できない配電方式として、三相3線式200V(3φ3W 200V)があげられます。この場合、線間電圧・対地電圧はともに200Vです。
三相4線式(3φ4W)
さらに、ビルや工場などの自家用施設で使われることの多い三相4線式415/240V(3φ4W 415/240V)では、線間電圧が415V、対地電圧が240Vとなります。この方式では、さらに大電圧が使用されることもあります。
一般家庭でよく使用されるのは単相3線式100/200V
一般家庭で使用されることが多いのは、単相3線式100/200Vです。
この方式は、中性線を接地側とし、接地側と非接地側の間で100V、非接地側間で200Vをとる回路でしたね。家庭で通常の100Vコンセントというと前者を使用し、IHや一部のエアコンなど200Vコンセントが必要な出力の大きい機器では後者を用います。
(おまけ)配線の基本ポイント2つ
線間・対地電圧には直接関係しませんが、電気回路における配線の基本ポイントとして以下の2つもあわせて覚えておきましょう。
- 照明や家電などの負荷はすべて電源と並列に接続する
- スイッチは非接地側を入り切りするよう負荷と直列に配置する
とくにスイッチの配置は電気の安全に関係する重要ポイントです。スイッチを誤って接地側に接続してしまうと、たとえば照明が点灯していないにもかかわらず器具に電圧が来てしまうことになり、電球を取り替えるなどの作業の際に感電してしまうリスクが高まります。
上記2点は筆記試験だけでなく、技能試験の際にもポイントとなりますので、押さえておいてください。
対地電圧と線間電圧は別物!見分けられるようにしておこう
対地電圧と線間電圧は、はじめは区別がつきにくいかと思います。回路図を見慣れてしまえばしっかり見分けられるようになりますので、焦らず勉強していきましょう。
また、筆記試験では単相2線式と単相3線式がよく登場します。どうしても苦手な方は、この2つだけでも覚えるようにしてください。
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