電験3種電力過去問(H14年問10)
絶縁材料の基本的性質に関する記述として、誤っているのは次のうちどれか。
(1)絶縁材料は、熱的、電気的、機械的原因などにより劣化する。
(2)気体絶縁材料は圧力により絶縁体力が変化する。
(3)液体絶縁材料には、比熱容量、熱伝導度の小さいものが適している。
(4)電気機器に用いられる絶縁材料は,[一般には許容最高温度で区分されており、日本工業規格(JIS)では耐熱クラスHの許容最高温度は180[℃]である。
(5)真空は絶縁性能に優れており、遮断器などに利用される。
答 (3)
解説
絶縁材料の基本的性質についての問題です。このような問題は、簡単なようで案外難しい問題です。
まず、絶縁材料の劣化の要因としては熱的、電気的、機械的、科学的要因の三つがあげられます。熱的要因に関連して、絶縁材料は許容最高温度により区分されています。温度が低い順から、Y→A→E→B→F→H→200→220→250となっています。その温度としては、90→105→120→130→155→180→200→220→250です。絶縁材料には、固体だけでなく気体、液体の絶縁材料も多く用いられています。空気も気体絶縁材料の一つです。液体の代表的なものとしては絶縁油があげられます。気体の絶縁性能は圧力に大きく左右されます。基本的に、気体の圧力が高くなればなるほど絶縁性能は高くなります。逆に、極端に圧力を下げ真空状態になると優れた絶縁耐力を発揮します。空気で言うと、高圧空気の絶縁耐力を用いたものの一つに空気遮断器、真空を利用したものの一つに真空遮断器があげられます。
絶縁材料のもう一つ重要な役割として、発生した熱を外部に逃がす働きがあります。変圧器などに使用されている絶縁油には、比熱容量、熱伝導度の高いものが用いられています。
以上のことから、誤っているのは(3)となります。
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