我が国の原子力発電所で用いられる軽水炉では、水が(ア)と減速材を兼ねている。もし、何らかの原因で核分裂反応が増大し出力が増加して水の温度が上昇すると、水の密度が(イ)し、中性子の減速効果が低下する。その結果、核分裂に寄与する(ウ)が減少し、核分裂は自動的に(エ)される。このような特性を軽水炉の固有の安全性又は自己抑制性という。
 上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に記入する語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

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答 (1)

解説
 ばあい原子力発電は、核分裂によって生じた高速中性子を減速させ熱中性子にすることにより核分裂を継続的に発生させています。この高速中性子を減速させるものを減速材といいます。また、核分裂によって生じた熱量を取り出すものを冷却材といいます。我が国で用いられいている軽水炉は、軽水がこの二つの役割を兼ねています。
 軽水は、温度が上昇すると密度が減少します。密度が減少すると、高速中性子を減速させる降下が減少するため熱中性子の発生が抑えられ、結果的に核反応も抑制されます。つまり、軽水炉は出力が上昇すると自動的に出力を下げる方向に働く特性を持っているということです。さらに、沸騰水型軽水炉の場合、沸騰する際に発生する泡(ボイド)も核分裂を抑制する働きをします。
 これらはすべて原子炉の出力が増加すると自動的に出力が下がる特性で、原子炉の安全性を考える上で極めて重要な特性です。

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