前回、電力損失は電流の2乗に比例するとお話ししました。
では、電流の大きさは何によって決まるのでしょうか?
1つは当然ながら負荷の大きさです。
単相交流では、電力は次の式で表わされます。
 P=VIcosθ[W]
このように、電圧Vが一定であれば電流は負荷の大きさに比例します。
2つめは、電圧の大きさです。
先ほどの式から、負荷が一定であれば電流は電圧に反比例します。
つまり、電圧を2倍高くすれば電流は2分の1になるということです。
3つめは力率です。
電力、電圧が一定であれば、電流は力率(cosθ)に反比例します。
力率が悪くなると、同じ電力(W)を供給するのにより大きな電流が必要になります。

さて、2番目に負荷が一定であれば電流は電圧に反比例するとお話ししました。では電力損失はどうなるでしょう?
はじめに、電力損失は電流の二乗に比例するとお話ししました。これに電圧と電流の関係を考えると、電力損失は電圧の二乗に反比例するということになります。つまり、同じ負荷に供給するのに電圧を二倍にすれば、電力損失は4分の1になるということです。
具体的にいえば、電力が一定であれば単相100Vで送るより単相200Vで送る方が電力損失は4分の1になるということです。

問題の出し方としては、同じ負荷に送る際に各配電方式(単相二線式100V、単相三線式200V、三相三線式200V)の比較をさせるといったものが出題されます。
電圧と電力損失の関係は非常に重要ですので、しっかりと抑えるようにしてください。

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