技能試験は欠陥ひとつで一発アウト!本番でやりがちな欠陥の種類を紹介
第二種電気工事士の技能試験では、提供される材料と持参した工具を用いて、実際の施工を机の上で行います。あらかじめ候補問題が公表されていますが、作業時間が40分と短いうえに「欠陥」という一発アウトの基準があるため、“まさかの不合格”が発生しやすい試験です。
本記事では、本番でやりがちな欠陥の種類を一挙紹介します。「技能試験はどこに気をつけて練習すれば良いのだろう」とお悩みの方はぜひご一読ください。
なお日本エネルギー管理センターは最短かつ最小の労力で合格を目指せるノウハウと、徹底した技能試験対策により、第二種電気工事士合格率が毎年90%以上を誇っています。
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欠陥については動画でも解説しています。
目次
そもそも「欠陥」とは?
技能試験の合格には、作品が施工条件のとおり完成していることに加え、作品に「欠陥」という施工ミスが1つもないことが求められます。
欠陥の有無は「電気工事士技能試験(第一種・第二種)欠陥の判断基準」という基準で審査され、この判断基準が非常にシビア。一見些細なことでも欠陥判定となってしまいます。
また以前にあった「重大欠陥」「軽欠陥」という括りはなくなり、いまは「欠陥」に該当するミスが一つでもあると不合格になります。つまり、欠陥となるポイントの把握は、技能合試験格の必須条件と言えるのです。
とはいえ、欠陥となる項目はいくつもあるため、丸暗記は難しいでしょう。そこで次の項から「受験生の多くがやりがちな欠陥」に絞って解説します
なお欠陥の判断基準は(一財)電気技術者センターのページで公開されています。
本番でやりがちな欠陥の種類7つ
本番でやりがちな欠陥を7つ紹介します。
- リングスリーブの刻印の誤り
- 電線とリングスリーブの圧着位置に関する欠陥
- 差込コネクタに関する欠陥
- 器具の極性誤り
- 輪作り関連の欠陥
- 器具の差込口からの心線はみ出しに関する欠陥
- 配線用遮断器・端子台に関する欠陥
リングスリーブの刻印の誤り
リングスリーブは、サイズや圧着する本数によって刻印のマークが異なります。
「中」の刻印を誤る方は少ないでしょうが、注意したいが小サイズのリングスリーブにおける刻印「◯」と「小」の使いわけです。
小サイズのリングスリーブの刻印は、挿入する電線の太さと本数によって刻印が以下のように異なります。
刻印「◯」 | Φ1.6 mm×2本の場合のみ |
刻印「小」 | ・Φ1.6 mm×3〜4本 ・Φ2 mm×2本 ・Φ2 mm×1本+Φ1.6 mm 1〜2本 |
刻印を間違えると、一度切断して圧着し直すしかありません。圧着前に必ずチェックする癖をつけましょう。
関連記事:リングスリーブの組み合わせは最低限でOK|試験から現場まで通用する考え方を紹介
電線とリングスリーブの圧着位置に関する欠陥
リングスリーブを圧着する際の位置についても注意が必要です。
- スリーブ上端から5 mm以上心線が残っていると欠陥
- スリーブ下端から10 mm以上心線が出ていると欠陥
- スリーブと電線の被覆を一緒に圧着してしまうと欠陥
欠陥を判断するにあたって、本当に絶縁被覆を一緒に圧着してしまっているのか細かく確認することは不可能です。よって、実際はリングスリーブの下端と被覆が接触しているだけで欠陥とみなされるおそれがあります。
無造作にリングスリーブを圧着するのではなく、上下から心線がちゃんと見えているかどうか、見えすぎていないだろうかに気を配りながらの作業が求められます。
差込コネクタに関する欠陥
電線を差込コネクタでつなぐとき際は以下の欠陥に注意しましょう。
- 先端部分に心線が見えていないと欠陥
- 下端部分に心線が少しでも露出していると欠陥
心線の長さを13 mmにそろえ、奥にグッと差し込むよう気を配りましょう。
器具の極性誤り
技能試験では必ず1つは極性に注意して接続する必要のある器具が登場します。
- 配線用遮断器
- ランプレセプタクル
- 露出型コンセント
- 引っ掛けシーリング(角)
- 引っ掛けシーリング(丸)
- 埋込連用コンセント
これらの極性を間違えて接続すると即欠陥となります。
輪作り関連の欠陥
ランプレセプタクルの作業で定番の輪作りも欠陥になりやすい箇所です。
- ネジから5 mm以上心線が露出していると欠陥
- 輪の向きが左巻になっていると欠陥
- ネジから心線が5 mm以上はみ出していると欠陥
輪作りは苦手な方も多いですが、合格のために避けては通れない作業です。十分に練習しましょう。
器具の差込口からの心線はみ出しに関する欠陥
以下のように電線の心線を器具に埋め込む必要がある作業では、心線のはみ出しに注意してください。
- 埋込連用コンセント:差込口から2 mm以上心線が露出すると欠陥
- 引っ掛けシーリング:差込口から1 mm以上心線が露出すると欠陥+絶縁被覆が台座下端から5 mm以上露出すると欠陥
心線の露出は押し込み不足が多いですが、強く押し込んでも露出する場合は、一度抜いて差し直す必要があります。
引っ掛けシーリングはとくに欠陥になりやすい器具です。以下の動画でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
配線用遮断器・端子台に関する欠陥
配線用遮断器や端子台での心線のはみ出しや絶縁被覆の噛み込みも欠陥になります。
- 配線用遮断器:器具下端から5 mm以上心線が露出すると欠陥/絶縁被覆を一緒に締め付けると欠陥
- 端子台:台下端から5 mm以上心線が露出すると欠陥/絶縁被覆を一緒に締め付けると欠陥
心線露出のチェックは、器具を裏から見て5 mm以上心線が見えていたらアウトだと考えてください。
じつは欠陥にならないもの
“欠陥になりそうでならないもの”もあります。例えばランプレセプタクルに関連した以下2つは、いまは欠陥とは判断されません。
- ランプレセプタクルの台座の上に外装が出ていても欠陥にはならない
- 受金ネジ部に電線が触れていても欠陥にならない
よくある欠陥に注意して技能試験合格を目指そう!
技能試験の欠陥は1つでもあると即不合格になってしまいます。
欠陥と判断される基準はいくつもありますが、実際の作業でやってしまいがちなポイントにはある程度パターンがあります。ぜひ本記事で紹介した内容を参考に技能試験の対策を進めてください。
また技能試験対策については以下の記事で徹底解説していますので、こちらもぜひご一読ください。
関連記事:第二種電気工事士の技能試験(実技)|独学で合格するポイントを徹底解説
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